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SK材:日本製炭素鋼
日立金属安来工場が生産している。鉄鉱石から炭素鋼を作っていく過程での最初の炭素鋼で、焼入れがしやすく硬いが脆い。主に安物の包丁やドリル刃やドライバーなど工具用に使用される
黄紙シリーズ:日本製炭素鋼
日立金属安来工場が生産している。SK材の炭素を少なくした代わりに、粘りを出したもの。農工具多く使用される。
白紙シリーズ:日本製炭素鋼
日立金属安来工場が生産している。砂鉄を原料とした最高の鉄を原料に不純物を徹底的に取り除き炭素を加えたものです。炭素量の多い順に1号、2号、3号と分かれており、炭素量が多いと硬度が高く靭性(粘り)が低くなり、炭素量が少ないと硬度が低く靭性(粘り)が高くなります。
日本刀の原材料として使用される玉鋼(たまはがね)に組成的にはもっとも近い(しかし玉鋼のほうが鋼としては上) 。焼きいれは困難だが、硬度はHRC63以上と切れ味は最高クラス。
青紙シリーズ:日本製セミステンレス鋼
日立金属安来工場が生産している。白紙シリーズに調整用元素を混ぜて磨耗性と粘りを出したものです。
炭素量の多い順にスーパー、1号、2号とランク分けされています。
焼きいれは白紙よりさらに困難だが、硬度はHRC65以上と切れ味は最高クラス。
スーパーはさらにクロム、タングステン量が増加され、特に最高級な青紙スーパーはHRC67以上と他に類を見ない。ただし、非常に高価。
銀紙1号:日立金属
炭素含有量0.80~0.90%でHRCは57以上ですが、クロム含有量15~17%ありモリブデンを添加している。
家庭用三徳包丁に使われます。
銀紙3号:日立金属
炭素含有量0.95~1.10%でHRC59以上という炭素鋼並みの硬さと切れ味を得られるます。
主に高級包丁に使われます。
ハイス鋼:アメリカ製セミステンレス
正式名称ハイスピード工具鋼・粉末ハイス鋼、本来は工具用として作られたものでステンレスではあるが、錆びやすい。また、余りに高硬度なため通常の鋼のように溶鉱炉から延べ板を作りそれを加工するのではなく粉末状の成分を型に入れて高温高圧で成型する手法をとる。硬度はHRC61~63と硬く切れ味は良い。
D2鋼:アメリカ製炭素鋼
炭素鋼であるがゆえに硬度は硬く切れ味は良い。
V金10:武生製鋼
コバルト合金とも呼ばれる。
炭素含有量0.95~1.05%でHRC57以上あり、クロム含有量14.5~15.5%、コバルト含有量1.3~1.8%で、硬さと切れ味と耐食性を兼ね備えています。
ただし、加工性が悪いので、価格は高い。高級ステンレス包丁に使用される。
モリブデン鋼:貝印製作所
硬度はやや劣るが安価で家庭用包丁によく使用される。また、アメリカのカーショウ社のナイフはこの貝ブランドの鋼を使用している。
SUS-440C:アメリカ規格のステンレス
SUSという名前は国際基準の意味もある。錆びに強い刃物用ステンレスとして有名。ただし、硬度はHRC57~59とやや劣る。耐摩耗性、靭性が高く加工性が良いので、刃持ちもよくバランスがいいため大量生産向きで主に安価な包丁に使われます。
スウェーデン鋼:
スウェーデンで生産されるステンレス。
ダマスカス鋼:
厳密には鋼の名称ではなく、古来より中東・ヨーロッパより伝わる製法から来る名前。
高温の2種類の鋼を何度も折り畳み叩き上げた鋼で出来上がりは独特の紋様が浮かび上がる。一般にはニッケルと炭素鋼を混ぜて叩き上げるものが多い。鍛造法によって鍛えられた鋼であるが一種類の鋼のものよりとても丈夫でしかも粘りがある。また切れ味も良い。また、炭素鋼材であるのに錆びに強い。これはダマスカス独特の特徴で、未だに謎とされている。